飯盒でご飯
飯盒を使ってのご飯の炊き方を紹介しましょう。
飯盒を使ってご飯を炊く方法を通して、野外炊事を考えてみます。ご飯を完璧にこなせたら、後はおかずのレパートリーを増やすだけ。
野外での炊事では準備しなければならないものがたくさんあります。
◇カマドを作る
◇まきを用意する
◇水を汲んで来る
◇火をつける
炊事を始める前にも、これだけの手間がかかります。もちろん、ケガ・やけどの予防と火の用心も、最初からよく考えておきましょう。
調理の順序としては、ご飯--汁もの-- 焼もの,炒めもの、の順でしょうか。上手に炊けたご飯は冷めてもおいしいですが、ステーキは熱いうちに食べたいですよね。冷めにくいものから仕上げていきましょう。
とにかく炊事の時間になれば真っ先に米と飯盒を用意して、火がつき次第、炊飯出来るようにしましょう。素早く作って、ゆっくり食べるのが理想です。
飯盒の中ブタは、すりきり一杯でちょうど2合です。正しく米を計れば水加減は飯盒任せにできます。各自で米を持ちよるなら、1合づつ小さい袋に入れて持っていきましょう。
研ぎ始めは、たっぷりの水を入れて手早くかき混ぜて、すぐに水を捨てましょう。米が汚れた水を吸わないうちにすぐに水を捨てるのがポイントです。
次は、米がひたひたになるくらいの少量の水を入れ(米が水面から少し頭を出しているくらい)、ていねいに研ぎます。米粒と米粒をこすり合わせるようなイメージで。乱暴にすると米粒が割れてしまいます。水を捨て、もう一度ていねいに少量の水で研ぎます。普通はこれで米研ぎは十分です。これ以上は水と時間の無駄でしょう。
飯盒には水加減のための線が入っているので失敗が少なくなります。下の線が2合の時の線で、上の線が4合の時の線です。3合炊くときは目分量で上の線と下の線のちょうど中央に合わせてください。1合だけで炊くとなかなかおいしく炊けないので、2合以上で炊くようにしましょう。4合以上は炊けませんので、飯盒をもう一つ用意しましょう。
この水加減はまきで炊くときの水加減なので、どんどん吹きこぼれますからツーバーナーなどの器具で炊事すると、汚すことがあります。
柔らかめのご飯が好きな人は水を数mm多めに入れ、固めが好きな人は水を数mm減らしてください。新米は柔らかく炊き上がるので、水を少なめにして炊きます。
この方法以外にも水加減の方法は色々あります。
「はじめチョロチョロ、なかパッパッ....」つまり、炊きはじめは弱火で、次に強火にしましょうということです。
が、極端な話、チョロチョロの部分がなくても炊けますが、パッパッの部分がないとモチモチしたご飯らしいご飯になりません。しっかりと火力が上がるようにまきを準備しておきましょう。飯盒が炎に包まれているイメージです。
十分な火力があれば、しばらくして蒸気が盛んに吹いてくるでしょう。フタが持ち上がるかもしれませんが、その時は石などを重しにしてフタを押さえ、内部の圧力が逃げないようにしましょう。さらに、米汁が吹きこぼれてきますが、気にしなくていいです。飯盒が自分で水分を調整しているとでも思ってください。
棒などで飯盒に触れて見ましょう。グツグツと沸騰している振動が手に伝わって来るはずです。このグツグツを感じなくなったら、火から下ろし、ご飯の様子を確認してください。炊き上がるまでフタを取るなと言われますが、真っ黒コゲにするよりはマシですので、慣れないうちは確認しましょう。水分が残っていたらもうしばらく火にかけます。
水加減などのご飯の失敗に気付いたら、この時点で少し手を加えましょう。
上手に炊けたご飯には「カニの穴」と呼ばれるいくつものたて穴があいています。この状態を目指して、練習を重ねましょう。
しゃもじで切るようにご飯を軽く混ぜたら、飯盒をカマドのそばにおいて蒸らしましょう。飯盒を逆さにして蒸らすこともありますが、そのままでも差はないと思いますので、ひっくり返さなくていいでしょう。飯盒の底をたたくのは絶対にやめましょう。熱せられた底は弱くなっているので、すぐにへこんで正確な水加減が出来なくなります。
炊き上がったご飯は、飯盒に残さずに各自の食器によそってしまいましょう。飯盒を空にして、水を張っておくと後で洗いやすくなります。
ご飯は残飯としては厄介なものです。燃やせないですし、持って帰るにも重たいです。残せば残飯、食べればエネルギーです。最初に分けてしまって一人一人が責任をもって完食しましょう。
あとは、野外炊事で一番大切で難しい後片付けが待っています。
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